ものをみる

 朝起きて仕事して(ほぼオフィスワーク)夜になって、退勤後のわずかばかりの時間を過ごして帰って寝る、週末になってようやくゆったりと有意義な時間をすごせているのか疲れをとるので精いっぱいなのかわからない。そんな日常を過ごしていると、もの選びの感覚が鈍ってくるような気がしてくる。

 じっさいそうだ。会って目にする人も限られているし、流行とか洒落てるとか、そういうものとは縁遠い時間が長くなった。そうなるとやはり、以前よりももっと能動的に情報を求める必要がでてきている。もちろん直接見て触れるのがいちばんよいが、田舎ではそうもいかない。週末に都市へ出ればよいが、地理的にも金銭的にも無理はできない。

 そこで今更たちもどるけれども、こうした場合、本や雑誌、ネットから情報収集することは、これまでなんとなくそうしてきた以上に有意義なんじゃないかと思うようになった。安価で居ながらにしていいものを(直接でないにせよ)見られるというだけで自分にとってはエンターテイメント的である。もっとこれらを楽しんだほうがいい。

 これまでだってそうだったはずなのだが、こと雑誌に関してはこの何年かでそこまで熱心に読むことがなくなっていた。とくにファッション誌については、対象がしっかり定められている感があるものが多い。一番しっくりくるものを選んで毎月購読するような形を以前はとっていたが、その「しっくり」に陰りが差してからはなんとなくぱらぱらと立ち読みし、たまに食指が動いたら買ってみようかぐらいの距離ができている。自分の感覚を大事にするのはいいことだと思っているけれど、清濁併せのむ勢いで(大袈裟だが)もっとたくさん読んでいきたい。雑誌単位ではそこまでぴんとこなくても、気に入るものが載っていることはあるわけで、そういうものまでアンテナを張りたいわけである。

 もうひとつ、ネットについて。こちらは日々ちゃんと見ている方だと思う。twitterなどで本職を含めたおしゃれな方々の発言に関心をよせるのと、sumallyでそういう方々の見てきたものを共有して、あとは気になるブランドやショップの情報をフィードなんかでぼちぼち読むのが趣旨に沿ったところでの主な使い方だろうか。

 いまのテーマである「もっと感覚を研いでいく」というところにこだわるなら、こうして日々見てきて気になったものについて書き残していくのもいいのかもしれない。