恒温動物やるのもつらい

 いつの間にか秋が深まり、相応に暦も進んでいた。 月の始まりごろにはまだ、半袖を着ていたはずだ。 いらぬ世話だけど、こうも冷え込むのが遅いと、暖かい服はなかなか売れ難かったのではないだろうか。 8月末に、受注会で予約していた服の入荷連絡があり、受け取りはしたものの、部屋で広げてにやつく以上の役には立たなかった。今ごろやっと、服は着てこそだななどと思わせてくれている。買いすぎる人間でこうなのだ、うだるような暑い日に正札のニットだのコートだのを見て、食指が動いただろうか。とにかく、遅ればせながらも、ちゃんと冷えてくれてよかった。寒い季節は過ごしやすくて好きだ。  

 最近は、運動したり食事に気を遣ったりするほどに、体調管理の大切さを意識させられる。不調だと運動もできないし、身体を治したいから食事制限もできないし、そもそも気力が湧かない。療養に時間を取られて、無駄な時間を過ごすことになっている。横ばいならまだしも、身体造りの面ではがっつり後退である。元々大して鍛えてはいないけれど、それでもここまで絞るのは結構大変だったのに、柔らかさを取り戻しつつあるお腹を見るたびに憂鬱になる。地道にツケを払っていく作業が待っている。ちゃんと鍛えて、免疫力を高めよう。今秋冬の目標である。

 服への興味は相変わらず減退気味で、よく言えば落ち着いている。今季に至っては、この流行を採り入れたいとかいうことすら考えられていない。とりあえず今は、暖かみがあってちょっと文化系っぽいような、いわゆる秋らしい格好をしたいというくらいの意識でいる。ストライプ柄のソックスと、オーダーまではできなくてもきっちりした革靴、あとは昨年から繰り越しでカシミアのニットキャップ。欲しいものを書き挙げてみると、まだまだ醒めてない人のような気がしてきた。このくらいでも悪くはない。